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※この記事は2015年当時を回想して、2017年7月に書かれたものです。可能な限り当時の手帳・メモ・書類などを参照し、正確な日付・数字を記録するよう心がけています。


2015年7月に37歳で
乳がんで左乳房温存手術を受けました。
【乳がん体験回想】では、当時のことを時系列で記載していきます。

前回までの記事:
【乳がん体験回想1】しこり発見
【乳がん体験回想2】近所の検査施設で乳がん検診し、その場で紹介状を渡される
【乳がん体験回想3】行きつけの精神科で乳腺外科クリニックを紹介される

****************


ある日、左乳房のビー玉大のしこりに気付いた私は、近所の医療検査専門施設で「早く専門医(乳腺外科)の診察を受けてください」と言われました。
しかし、乳腺外科のある近所の病院の予約がことごとく取れず、途方に暮れることにorz

以前から通っているメンタルクリニックのかかりつけ医に愚痴ったところ、なんと、知り合いの乳腺外科クリニックを教えてくれました。
さらに、その日のうちに診察予約が取れてしまいました…!



これだけトントン拍子に行くのだから、左胸のしこりもきっと良性のものだ!

…と思ったかどうか記憶が定かではありませんが、その日の夕方の予約時刻きっかり、私はその後長いお付き合いとなる、乳腺外科医のY先生のクリニックを訪れていました。


クリニックは、都内の賑やかな町の一角にあるビルの中にあります。
Y先生は年配の先生で、長年大きな病院の最前線で乳腺外科医として勤めた後、都内にご自分のクリニックをオープンされました。
この時、開業3年目。
まだまだ新しいクリニックの中に入ると、柔らかい雰囲気の内装が目に入ります。

受付で、穏やかな雰囲気の女性の受付スタッフさんに予約していることを告げ、検査機関からもらってきている宛名無しの紹介状と、エコーの画像を収めたCDを渡しました。

落ち着いた雰囲気の待合室で、じっと順番を待ちます。
壁には絵がかけてあったり、隅には花が飾ってあったり、BGMにはクラシック音楽が流れていたり。
こだわりあるなーと頭の片隅で冷静に分析しながらも、意識の大半は「一体どうなってしまうのだ」という緊張感と、「ああ、早く終わらないかなー」という焦りに占められています。

診察室の向こうからは、時折、先生と患者さんの笑い声も聞こえてきます。
こちとらこんなに緊張しているのに、これは一体…(@@;)
神経質になっている自分の心理状態と、クリニックの和やかな感じとのギャップに、少々戸惑います。

今なら、先生と患者さんが診察室の中で笑っていた理由もわかります。

乳がんに限らず「がん」とは、初期治療を終えたあとも、数年~10年におよぶ長期間、定期検診のために病院に通わなければならないものなのです。
(ということもあり、かかりつけ医選びはとても重要なのです)
このような定期検診の患者さんは、特に今までと体の調子に変わりがなければ、数か月ぶりに会ったY先生に近況を報告し、ちょっとした世間話をしたりしていたのでしょう。だから自然と、和やかな笑い声が起こるのです。

さて、しばらく待っていると女性のスタッフさんに呼ばれ、改めてエコー検査を受けることに。
ここでも、最初に検査を受けたところと同様、左乳房にエコーの器械を当てた直後、技師さんが一発で「ここですかー」としこりについて言葉少なに指摘するような状況。
あかん。
これはあかんやつだ…。


エコー検査が終わり、さらにしばらく待ちます。
もはや頭は「早く終れ」のエンドレスリピートです。

どれくらい待ったか(1時間くらいかな)記憶があいまいになったころ、ようやく診察室に呼ばれます。

診察室に入ると、穏やかな雰囲気の、小柄な白髪の男性の先生が、女性看護師さんとともに迎えてくれました。
この小柄な先生が、これから長いことお世話になることになるY先生です。
(なお、Y先生は一部の患者たちからは有袋類の「コアラ」に例えられていることを後に知りました)

Y先生は、診察とエコーの画像の説明をしてくれたあと、さらなる検査が必要だと言います。

私 「どんな検査ですか?」
先生「針生検といってね、胸に麻酔をして、針をブスっと刺して鉛筆の芯くらいの太さの細胞を採取するの
私 「え、麻酔が必要なくらい痛いんですか…?(@@;)」
先生「麻酔してるから痛みは大丈夫だよ」
私 「え、でも血とか出るんですよね。明日仕事できますか?
先生「血は出るから、乳房に包帯巻いて仕事することになるかな」
私 「…(((((@@;←引いている

私、学生時代は生物学と無縁の地球物理学の理系だったし、出産経験もないため、血とか痛みに慣れていません。
加えて、この日はまだ月曜日。土曜出勤も含めて明日からまた激務の連勤が続くのです。
身体への負担は極力少なくしたい…!

ビビっている私を見て、先生がもう少し体の負担の少ない検査を提案してくれました。

先生「穿刺吸引細胞診ならもっと細い針だから、麻酔もしなくていいし、血もすぐ止まるよ
私 「…そっちでお願いします」

先生は「本当は針生検のほうがいいんだけどね…」とつぶやきながら、穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん)の準備をします。
(※針生検のほうが、検査の精度が良い上、患部についてよりたくさんの情報が分かる)

…取り出されたのは、結構でっかい注射器みたいな道具

「ほぁぁぁ、あんなん刺されたら痛いぜ!(@@;)」
とビビりまくる私ですが、ここまで来たら後には引けません。

左胸のしこりをめがけ、Y先生が思い切りよく針を刺し、ぐりぐりと言った感じで細胞を採取します。
結構痛いぞ!(><。)

10~20秒くらいは針を刺されていたでしょうか?
針を抜いてもらった後、ちょっと涙目な私がいました。
(※こんな状態で、この数週間後、よく手術後の痛みに耐えられたものだと思いますが、人間とは刺激に慣れる生き物なのです)

針を刺されたあとに四角い絆創膏を貼ってもらって、一息つく私。
その背後で、先生と看護師さんの会話が聞えます。

先生「なかなか立派なのが採れた!
看護師さん「あら、○○さん(おそらく検査機関の技師)が喜びますね!

これは間違いなく、私から採取した細胞に関しての会話。
…ええっ、それ、なんてノリ!?(@@;)(笑)

…いや、気持ちは分からなくもない。

私も理系なので、実験や分析用に良いサンプルが手に入ったら、うれしいのは分かる。
そう、分からなくもない。
しかし、そうくるか!(笑)

ああ、ここは医療系理系の園なのだなあ…( =  =)←遠い目

先生たちとの世界観のギャップに、葛藤する私がそこにはいました(笑)

まあでも、お陰さまで「もし悪性だったらどうしよう」みたいに余計な悪い想像を膨らませるヒマがなかったので、先生たちの明るい医療系のノリに振り回されて、結果としては良かったみたいです(笑)
なんぼ乳がん専門クリニックだからって、ヘンに深刻な雰囲気を醸し出されるよりは、通常は明るいノリであってくれたほうが、患者の気持ちはラクでしょうから。
(※もちろんY先生も、患部を診察しているときは、真剣そのものの表情です)

検査結果は1週間後に分かるとのこと。
翌週の一番早く予約を取れる日に予約を入れて、その日は帰りました。

その帰り道、私はとある場所…実家に寄ることにしていました。
続きは次回。

NEXT→【乳がん体験回想5】実家で乳がん疑惑について伝える
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兄貴ファン or まるこ
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なんちゃってSE。社畜です…
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自己紹介:
学生時代にお勉強させられた英語とかドイツ語とかを活用して、欧州サッカーとかジャパニメーションとか海外オークションとかで、貴重な余暇を非生産的につぶします。
時折走り、まれに勉強します。
2015年夏、乳がん(ステージ1)発症しました。
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