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※ドイツ語の記述に関する注:タイピングの負荷を減らすため、大文字小文字の区別無し、エスツエットとウムラウトも代替の記載方法採用
悟飯とボージャック一味の闘い、終盤のシーンより。
悟空:
1.「悟飯、おめえの真の力を見せてみろ」
→"Son gohan, du muss, mein son, zeigen diesen wahre kraft"
(悟飯、真の力を見せなきゃなんねえ)
2.「甘ったれてんじゃねえぞ。地球はおめえが守るんだ!」
→"Son gohan, du dass niemals aufgeben. hoerst du? niemals! du muss noch die erde beschuetzen"
(悟飯、絶対諦めるな。いいか。おめえはまだ、地球を守らなきゃならねえんだ)
悟飯:
3.「お父さんが助けてくれた」
→"Vater hat mir das leben gerettet"
(お父さんが助けてくれた)
4.「そしてお前たちを絶対に許すなと言っていた」
→"Vater hat gesagt, dass ich soll meine wahre kraft zeigen"
(真の力を見せろと言っていた)
5.「僕に地球を守れと言ってた!」
→"Vater hat gesagt, dass ich die erde beschuetzen muss"
(地球を守らなきゃいけないって言ってた)
6.「そして僕に甘ったれるなって言ってた!」
→"und ausserdem hat vater gesagt, dass ich nie, niemals aufgeben soll!"
(そして絶対諦めるなって言ってた!)
1には、聞き取りに明らかに抜けあり。でも文法的に正しく補完してるはず。
文法的な話(のようなもの)
・4~6で、".., dass.." 以下の構文で文末が動詞・助動詞なところが注目ポイント。
「このガキ(失礼)、ナマイキにも正しいドイツ語しゃべってやがる」(←当たり前)とか突っ込みを入れてみよう。
・2を整理すると、
2'. "Du dass niemals aufgeben."
という、一瞬解釈に苦しむ文章になる。
きっと何かが省略されてるんだろーなくらいは分かるが、一体何が。
ここで、この台詞を悟飯が引用している6と比較してみる。
6を整理すると、下のようになる。
6'. "Vater hat gesagt, dass ich niemals aufgeben soll."
つまり、2'には"sollen"がどこかに隠されている。はず。なんじゃないですかねー。くらいのことが、分かる。
いや、それだけで、オチはないけど。
構成上の差異(半ばこじつけ)
・4では、ドイツ語と日本語、言ってる内容が違います。が、話の流れ上では、まったく違和感ないです。
というか、実はドイツ語版のほうが、つじつまがより合うのではないかね。
オリジナルが4で悟飯に引用させているのは、このシーン直前の悟空の「お前らは許さねえ!」という趣旨の台詞だが、ちょうどこの台詞を悟空が言ったとき、悟飯は気を失っていて聞こえていないように見えるのですよ。
文化的差異(ほぼ妄想)
・…上のような議論が、ドイツ語版スタッフの中で交わされた結果、確実に悟飯が耳にしている1の台詞を引用させる方向で落ち着いた…んだったら、ドイツ人らしい仕事だよねとうなずくところだが、きっとそんなことはない。
・「甘ったれるな」→「諦めるな」に訳したドイツ語版スタッフのセンスは秀逸です。
へたってる子供を叱咤して突き放すジャパニーズスパルタ的親父像より、「お前にはこういう使命があるのだからして諦めてはならない」と理屈で?説得に?かかる父親像のほうが、ゲルマン民族の視聴者には受け入れられやすいはず!
・英語版のこの映画は見てないけど、英語版悟空のむやみにポジティブなアメリカンヒーローなキャラ付けからして、上の台詞は、「Come on, you can do it!」系の明るい励ましモードか、アメリカの"英雄になりたい"願望をくすぐる「お前しかできないんだからやれ!」的な台詞になっていることを予想。
↓
※2018/05/02追記。
10年ぶりに英語・ドイツ語熱が再燃したので、この記事のことを思い出して、調べてみました。
英語版タイトル"Dragon Ball Z: Bojack Unbound"より:
悟空:
1.「悟飯、おめえの真の力を見せてみろ」
→"Wake up! World is depending on you, Gohan!"
(起きるんだ、世界はおめえの肩にかかってるんだぞ)
2.「甘ったれてんじゃねえぞ。地球はおめえが守るんだ!」
→"Believe in yourself, son! Unleash your true power! It's the only way!"
(自分を信じろ! おめえの真の力を見せてみろ! それしか方法はねえ)
…ということで「明るく励ましまくるか」「ヒーロー願望をくすぐるか」の二択で行くと、完全に後者の方向性だということが分かりました。
で、このあとの悟飯のセリフが、日本語版「父さん」(たぶん)に対し、"Yes, sir"なのだわ。
軍隊の台詞なんですよ。
(なお、ドイツ語版も、日本語と同じで"Vater")
英語版ドラゴンボールを隅から隅まで見てるわけではないので、悟空と悟飯の関係性を正確に理解してるわけではないんだけど、日本の文化だと「家族同士で、かつ、上下関係のある師弟」が両立するけど、アメリカだともしかしたら成り立たないのかもしれないね。少なくとも命がけで地球を守れ、的な命令を、父親が息子に一方的に下すような関係は。
なおドイツ語の場合、悟空が一貫して悟飯に”Du”と呼びかけていることから、明確な上下関係は成立しています。ただし、家族内の。
久々に語学の世界にダイブ・インすると、なかなか色々と妄想を掻き立てられて、面白いですw
悟飯とボージャック一味の闘い、終盤のシーンより。
悟空:
1.「悟飯、おめえの真の力を見せてみろ」
→"Son gohan, du muss, mein son, zeigen diesen wahre kraft"
(悟飯、真の力を見せなきゃなんねえ)
2.「甘ったれてんじゃねえぞ。地球はおめえが守るんだ!」
→"Son gohan, du dass niemals aufgeben. hoerst du? niemals! du muss noch die erde beschuetzen"
(悟飯、絶対諦めるな。いいか。おめえはまだ、地球を守らなきゃならねえんだ)
悟飯:
3.「お父さんが助けてくれた」
→"Vater hat mir das leben gerettet"
(お父さんが助けてくれた)
4.「そしてお前たちを絶対に許すなと言っていた」
→"Vater hat gesagt, dass ich soll meine wahre kraft zeigen"
(真の力を見せろと言っていた)
5.「僕に地球を守れと言ってた!」
→"Vater hat gesagt, dass ich die erde beschuetzen muss"
(地球を守らなきゃいけないって言ってた)
6.「そして僕に甘ったれるなって言ってた!」
→"und ausserdem hat vater gesagt, dass ich nie, niemals aufgeben soll!"
(そして絶対諦めるなって言ってた!)
1には、聞き取りに明らかに抜けあり。でも文法的に正しく補完してるはず。
文法的な話(のようなもの)
・4~6で、".., dass.." 以下の構文で文末が動詞・助動詞なところが注目ポイント。
「このガキ(失礼)、ナマイキにも正しいドイツ語しゃべってやがる」(←当たり前)とか突っ込みを入れてみよう。
・2を整理すると、
2'. "Du dass niemals aufgeben."
という、一瞬解釈に苦しむ文章になる。
きっと何かが省略されてるんだろーなくらいは分かるが、一体何が。
ここで、この台詞を悟飯が引用している6と比較してみる。
6を整理すると、下のようになる。
6'. "Vater hat gesagt, dass ich niemals aufgeben soll."
つまり、2'には"sollen"がどこかに隠されている。はず。なんじゃないですかねー。くらいのことが、分かる。
いや、それだけで、オチはないけど。
構成上の差異(半ばこじつけ)
・4では、ドイツ語と日本語、言ってる内容が違います。が、話の流れ上では、まったく違和感ないです。
というか、実はドイツ語版のほうが、つじつまがより合うのではないかね。
オリジナルが4で悟飯に引用させているのは、このシーン直前の悟空の「お前らは許さねえ!」という趣旨の台詞だが、ちょうどこの台詞を悟空が言ったとき、悟飯は気を失っていて聞こえていないように見えるのですよ。
文化的差異(ほぼ妄想)
・…上のような議論が、ドイツ語版スタッフの中で交わされた結果、確実に悟飯が耳にしている1の台詞を引用させる方向で落ち着いた…んだったら、ドイツ人らしい仕事だよねとうなずくところだが、きっとそんなことはない。
・「甘ったれるな」→「諦めるな」に訳したドイツ語版スタッフのセンスは秀逸です。
へたってる子供を叱咤して突き放すジャパニーズスパルタ的親父像より、「お前にはこういう使命があるのだからして諦めてはならない」と理屈で?説得に?かかる父親像のほうが、ゲルマン民族の視聴者には受け入れられやすいはず!
・英語版のこの映画は見てないけど、英語版悟空のむやみにポジティブなアメリカンヒーローなキャラ付けからして、上の台詞は、「Come on, you can do it!」系の明るい励ましモードか、アメリカの"英雄になりたい"願望をくすぐる「お前しかできないんだからやれ!」的な台詞になっていることを予想。
↓
※2018/05/02追記。
10年ぶりに英語・ドイツ語熱が再燃したので、この記事のことを思い出して、調べてみました。
英語版タイトル"Dragon Ball Z: Bojack Unbound"より:
悟空:
1.「悟飯、おめえの真の力を見せてみろ」
→"Wake up! World is depending on you, Gohan!"
(起きるんだ、世界はおめえの肩にかかってるんだぞ)
2.「甘ったれてんじゃねえぞ。地球はおめえが守るんだ!」
→"Believe in yourself, son! Unleash your true power! It's the only way!"
(自分を信じろ! おめえの真の力を見せてみろ! それしか方法はねえ)
…ということで「明るく励ましまくるか」「ヒーロー願望をくすぐるか」の二択で行くと、完全に後者の方向性だということが分かりました。
で、このあとの悟飯のセリフが、日本語版「父さん」(たぶん)に対し、"Yes, sir"なのだわ。
軍隊の台詞なんですよ。
(なお、ドイツ語版も、日本語と同じで"Vater")
英語版ドラゴンボールを隅から隅まで見てるわけではないので、悟空と悟飯の関係性を正確に理解してるわけではないんだけど、日本の文化だと「家族同士で、かつ、上下関係のある師弟」が両立するけど、アメリカだともしかしたら成り立たないのかもしれないね。少なくとも命がけで地球を守れ、的な命令を、父親が息子に一方的に下すような関係は。
なおドイツ語の場合、悟空が一貫して悟飯に”Du”と呼びかけていることから、明確な上下関係は成立しています。ただし、家族内の。
久々に語学の世界にダイブ・インすると、なかなか色々と妄想を掻き立てられて、面白いですw
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HN:
兄貴ファン or まるこ
性別:
女性
職業:
なんちゃってSE。社畜です…
趣味:
まったり週末ランニング
自己紹介:
学生時代にお勉強させられた英語とかドイツ語とかを活用して、欧州サッカーとかジャパニメーションとか海外オークションとかで、貴重な余暇を非生産的につぶします。
時折走り、まれに勉強します。
2015年夏、乳がん(ステージ1)発症しました。
時折走り、まれに勉強します。
2015年夏、乳がん(ステージ1)発症しました。
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