職場に乳がんをどう伝えるか・２（退院後～放射線治療～経過観察期間）

※初めての方は目次へどうぞ。

前の記事で、診断確定から退院までの、私の職場への相談・連絡のタイミングについてお話ししました。
ここでは、手術後に退院してから、初期治療完了（≒現在）までについて記載します。

入院前同様、上司に事前に相談の上、私が休んだりすることで仕事に影響を与える同じチームの同僚たちには、分かった時点で休み・遅刻・早退のスケジュールをお知らせしました。
理由は「手術後も、しばらく通院による治療が必要な病気なので」くらいの大雑把な説明しかしていません。

IT業界の人間は、一般に他人様に関心が薄いということもあってか、しつこく詮索してくるような人は皆無でした。そっとしておいてくれた同僚たちには、感謝です。

仕事と同じで、報告・連絡・相談を適切な相手に対し、適切な内容を、適切なタイミングで行うことがポイントだと思います。
そうすることで、自分も周囲も動きやすくなります。
以下ではもう少し詳しく、この段階での職場への相談・連絡のタイミングと内容を説明します。

前の記事と少し重なりますが、私は入院後は、退院して職場復帰の見通しがはっきりするまで、特に職場には連絡を入れていません。

ただし、入院前に見通しを詳しく説明していました（「手術は7月22日、退院は約1週間後の29日ごろの見通し、職場復帰はさらに1週間後の8月第1週と見込まれる」とか）
その上で、「職場復帰の目途が立ったらor予定より遅れそうと判明した時点で連絡を入れる」と、部門長と直属上司に約束していました。

職場復帰が可能になってから

予定通り手術の約1週間後に退院し、2日後の主治医診察で「職場復帰OK」のお墨付きを得てから、メールで部門長と直属上司に「医者からも出社可能と言われたので、次の月曜日に出社したい」と連絡を入れました。
部門長から即、「月曜日に出社の上で、復帰後の仕事について話そう」という内容の返事がありました。

（気が焦っていたのですぐ出社したいと連絡したけど、が、今思うと、あと数日くらい休んでも、復帰に影響はなかったかも…）

職場に復帰してから

部門長と直属上司から、それぞれ体調と今後の治療見通しに関するヒアリングを受けました。前の記事の後半にも書いたように、このときは、
　・病理検査結果によって、今後の通院スケジュールが決まること
　・病理検査結果が出るまでに１～３週間ほどかかること
　・いずれにしても放射線治療の詳細な日程が決まり次第、休み・遅刻・早退について改めて相談させてほしいこと
　　を説明しました。

放射線治療スケジュールが決まるまで

職場復帰した後、放射線治療が始まるまで1か月ほど間がありました。
その間も、主治医の先生の診察を受けたり、放射線科へ相談しに行ったりしたので、ちょくちょく休み、遅刻・早退の必要がありました。
上司の希望で、予定が立ち次第、都度、上司および同じチームのメンバーにメールでお知らせしました。

仕事上、私が特に密にかかわる重要な同僚たちに対しては、部門長からの申し送りで「今後、通院で毎日遅刻早退する期間が発生する」ことが伝えてもらいました。
部門長から話が伝わったところで、私から、病名抜きで事情の説明をし、スケジュールが分かり次第連絡する約束をしました。

放射線治療スケジュール決定後

放射線治療開始直前、病院から通院30回分の詳細スケジュールが提示されたタイミングで、部門長、直属上司、重要な同僚たちには、30分単位での遅刻・早退の予定をメールで連絡しました。
　（※通院にかかる時間の下調べなどは事前にやっておきました）

それほど密には関わらない同じチームのメンバーへの連絡は「毎週月曜日に、翌週の予定をメールで連絡する」というやり方で6週間連絡しました。（一気に6週間分知らされても困るだろうということで）

入院のとき同様、部門長の判断で、お客様などの外部の方には何一つお知らせしていません。

初期治療終了～経過観察期間に入ってから

放射線治療期間後は通院による遅刻・早退もだいぶ減り、おなじみになった「通院の予定が立った時点で、上司・同じチームのメンバーにメールでお知らせ」方式を、現在も続けています。

放射線治療が終わった2か月後に、上司との定期面談がありました。ここでは下記を説明しました：
　・一連の初期治療が順調に終わったこと
　・経過観察のため、当面通院は必要だということ
　・頻度は、数週間に１度くらい、いずれは数か月１度に落ち着くこと

通院が必要な「当面」が具体的には何年なのか、という話まではしていません。
　
ちなみに30回の通院中に発生したのは、11時までの遅刻が10回、午前半休が4回、夕方の早退2回　でした。

朝が遅いシステム業界＆なぜか周囲に遅刻魔が多い（笑）こともあり、何も知らない別チームの人たちからは「あいつも最近、周囲に染まって遅刻気味だね」くらいでスルーされていたのかもしれません。
…というのは半分冗談ですが、乳がんについては「放射線治療単独なら、仕事をしながらでも通院期間を乗り切れる」というのが私の実感です。
（他の治療が重なったりした場合は、そこまで単純ではないかもしれませんが）

病院が通える範囲にある場合、放射線治療スケジュールを決める段階で病院に希望を伝え、職場とも事前によく相談しておけば、仕事しながらの通院治療は物理的・時間的には十分現実的だと思います。

前の記事の最後にも書きましたが、経済的にも精神的にも、仕事は続けられるなら続けたほうがいいです。
仕事を続けたいという意志がある場合は、諦めず、どうぞ仕事を続ける前提で治療を受けられるよう、職場と調整してみてください。