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ご存じのように、アメリカのオバマ大統領が、今週広島で演説しました。

気が向いたので、新聞にされていた全文を原文で辞書片手に読んでみました。(実に久々の英文長文読解ですw)

良くも悪くも「アメリカ」という「国家の人格」がにじみ出ていて、語学&異文化オタクの血筋の人間としては、盛り上がる要素満載で興味深かったです。

文化的側面で「アメリカらしいなあ」と特に思ったのは3か所:

1.Ability to bend nature to our will

「人類を人類たらしめる能力」の『良いほうの能力』として 「想像力 」や「言語」と並んで、 「自然を、人の意志のもとに屈服させる能力(ability to bend nature to our will)」が挙がっていたこと。(日経新聞訳では「自然を従わせる能力」)

トラディショナル・ジャパニーズ・カルチャーにおいては、
「自然は八百万の神で、かつ神と人間は同等で、和をもって貴しとする」のが主流なので、こういう発言は出てきません(><)

さすが、アメリカ。

ハリウッド映画で、隕石をぶち壊しにロケットで人を送り込んだり(『アルマゲドン』『ディープインパクト』)、地球の核の対流を復活させるために地下数千メートルまで潜入したり(『ザ・コア』)する国は違います。

2.An ideal that extends across continents and across oceans

かの国が国是として依って立つ「天賦人権の実現という理想」について:

「この理想を実現することは難しいが、実現を努力する価値はある。そしてこの理想は、大陸・海を越えて実現されるべきだ

…えーと、こういう考え方だから「考え方を押し付けるな!(><)」と反発する人々とあちこちで小競り合いが起こるんだろうなー…と改めて納得、という。

何とも言えずにベリー・アメリカンでございます。(※批判ではないです)

(いや、天賦人権の思想は近代以降の社会を成立させるにおいて極めて重要なファクターだし実現に向けて何の異論もないですが、こう、「べきだ!」という妥協を許さない強い強ーい意志、みたいなものが、実にかの国らしいなあと)

3.The gentle touch from a spouse over the kitchen table

「広島に立って我々は愛する人(家族)のことを思う。71年前の広島でも家族との時間があったのだ」といった文脈の中で挙がっていた「家族との幸せな時間」の具体例:
 ・「子供の笑顔」(smile from our children)
 ・「配偶者とのふれあい」(the gentle touch from a spouse)
 ・「父や母からの抱擁」(the comforting embrace of a parent)

2番目の要素は、日本人が書いた演説草稿なら、絶対挙がってこないよね。
しかも原文直訳は「テーブル越しの配偶者との暖かなふれあい」なもんだから、もうシャイな日本人にはこっぱずかしくって仕方ねえ!(><)(笑)

「親子関係」を家族の軸とする日本と異なり、「夫婦関係」を中心に家族が動いているカップル社会のアメリカ(欧州も同様)の家族観が何とも言えずににじみ出ていて、ちょっとほっこりします。

ちなみに日経の日本語訳は、後半のほう、微妙に一行まるごと削除されてる文章がありました。編集ミス?

あと、実家に置いてあった別の新聞の日本語訳とも比較しましたが、微妙な言い回しの差に、きっと翻訳者のセンスが出ていると思われ。平易な日本語だけど直訳ちっく、とか。
いやはや興味深い。
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なんちゃってSE。社畜です…
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自己紹介:
学生時代にお勉強させられた英語とかドイツ語とかを活用して、欧州サッカーとかジャパニメーションとか海外オークションとかで、貴重な余暇を非生産的につぶします。
時折走り、まれに勉強します。
2015年夏、乳がん(ステージ1)発症しました。
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