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2020年、本年も更新少なめかと思いますが、よろしくお願いいたします。
今年は2015年の乳がん手術から5年目になる年です。今回の記事では、主に手術前後~放射線治療あたりまでに読んでいた乳がん関連書籍の中から、5冊の体験記をご紹介したいと思います。
私自身が「独身」「会社員」「30代」「ステージ1」というステータスでの罹患だったため、似た属性の方たち(「独身」で「フルタイム勤務」で罹患時「29~41歳」、「ステージ0~2」)の体験記が多いです。
また、スタンスとしては「乳がんめ、俺の前に立つからにはタイマンだ!」くらいの闘争心溢れる闘病生活だったため、ご紹介する本の筆者様方も、そういうファイティングスピリット溢れる皆様が多めです。(じゃなければその上を行くハイパーポジティブシンキング)
なお、乳がんに限らず、がんは患者個々人で症状も治療方法も大幅に異なります。詳細な医学知識や治療に関する正確な情報が欲しい場合は、こういった体験記ではなく、日本乳癌学会が発行している『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』などをお勧めします。
では5冊の体験記を、筆者さんの罹患年齢がだいたい若い順にご紹介していきます:
今年は2015年の乳がん手術から5年目になる年です。今回の記事では、主に手術前後~放射線治療あたりまでに読んでいた乳がん関連書籍の中から、5冊の体験記をご紹介したいと思います。
私自身が「独身」「会社員」「30代」「ステージ1」というステータスでの罹患だったため、似た属性の方たち(「独身」で「フルタイム勤務」で罹患時「29~41歳」、「ステージ0~2」)の体験記が多いです。
また、スタンスとしては「乳がんめ、俺の前に立つからにはタイマンだ!」くらいの闘争心溢れる闘病生活だったため、ご紹介する本の筆者様方も、そういうファイティングスピリット溢れる皆様が多めです。(じゃなければその上を行くハイパーポジティブシンキング)
なお、乳がんに限らず、がんは患者個々人で症状も治療方法も大幅に異なります。詳細な医学知識や治療に関する正確な情報が欲しい場合は、こういった体験記ではなく、日本乳癌学会が発行している『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』などをお勧めします。
では5冊の体験記を、筆者さんの罹患年齢がだいたい若い順にご紹介していきます:
1.『彼女失格~恋してるだとか、ガンだとか』松さや香
長年夢見た編集者として転職を果たしたばかりの29歳の松さんに、予告なく乳がんという現実が舞い降りた。
生きるために手術・抗がん剤治療・放射線治療に立ち向かう彼女を襲うのは、仕事への焦りと、お金が無くなる現実と、アラサーで生理が止まる恐怖と、松さんの病気を受け止めきれない恋人との絶え間ない喧嘩と、長女として抱える母との葛藤。
アラサーなんて、ただでさえ生きるだけで必死なのに、突如現れた乳がんという大物から逃げずに戦いを挑んでいく松さんのパワーに圧倒されます。
後半の、なかなか修羅場な人間関係と、松さんが「お嬢さん育ちだから頼りない」と思っていたお母さんが意外にも「"母"の顔」をして結末を受け止めるくだりは、読み応えありました。
あと他の体験記ではなかなか読めない、治療中のパートナーとの性交渉の悩みとその解決方法は、貴重かもしれません。なかなかSNSでも打ち明けられないでしょ、こういう悩み。
最後のページ、5年再発率40%、5年生存率70%を乗り越え、36歳で新た世界に旅立とうとする松さんの、生命力あふれる力強いエピローグにグッときました。
2.『32歳で初期乳がん 全然受け入れてません』水谷緑
6年前にがんでお父さんを亡くした、32歳独身の水谷さん。全く飾らない本音の闘病コミックエッセイです。AMAZ●Nに「大したことないのに周囲に八つ当たりしまくって読んでて気分よくない」という趣旨のレビューを書いている方がいますが、きっと今まで大きな病気に一度もかかってない方の感想でしょう。病気になるって、きれいごとじゃすまないのよ~。
若い患者さんによくある「治療によって将来妊娠できなくなるかもしれない」「乳房の形が変わったら二度と恋愛もできないかもしれない」「お金も足りない」といった悩みが赤裸々につづられていて、少し年上(37歳)で罹患した私としては「そうなっちゃうよねー、私も5年若かったらそう悩んだと思うよ」と強く共感しながら読み進めました。
もう一つ特筆すべきは、6年前に、親御さんを別の部位とはいえ同じ「がん」で亡くされてることでしょう。「将来妊娠できないどころか自分が死ぬのかも」という恐怖たるや半端じゃないでしょう。私も自分の乳がん罹患前に、父を別のガンで亡くしてるので、そこの葛藤も思い返しながら読みました。
水谷さんは作品を書くにあたり「この程度で描いていいのか」という思いもあったようですが、お医者さんに「初期ステージだから伝わることもある」と言われ、作成に踏み切ったそうです。
私自身も罹患当時感じていましたが、いわゆる初期乳がん(ステージ0~1)の人たちが発信している情報は少ないです。このステージだと、ホルモン療法はともあれ、一番厳しい初期治療(手術・抗がん剤・放射線治療)は長くても数か月で完了し、その後は少しずつ前の生活に戻っていく人が多いからでしょう(と作中で水谷さんの主治医がおっしゃってました)。
しかし、言えないだけで、その数か月をひとりで乗り越えていかなければならない、患者さんは潜在的にそれなりの数いらっしゃると思います。
特に20~30代の、「いつかは自分も結婚して子供を産んで~」と漠然と思っているところへいきなり乳がんの可能性/現実を突きつけられた方たちがこの1冊を読んだら「自分だけではない」と少しは安心できるのでは…と思っています。
3.『モデル、40歳。乳がん1年生』MAIKO
表紙のカッコよさに引かれて購入しました。MAIKOさん罹患当時40歳、息子さんが中3でした(離婚されてシングルマザー)。モデルという職業柄、一段と手術や抗がん剤治療を行うことに対して恐怖や葛藤を抱えられたようです。
紹介している中では一番「かなしさ」や「おちこみ」という気持ちを素直に表現されている方なので、闘志バリバリ!という方向ではない方にもおススメしたいです。
最終章に、MAIKOさんと、乳がん仲間の36歳女性と29歳女性の対談があります。彼女たちが治療を乗り越え、それぞれの人生を取り戻そうと再び歩き出している様子は、必読です。
4.『はじめての乳がん 働くあなた聞きたい本音Q&A 83』土屋美樹
女性向けのキャリアセミナー会社を共同経営する土屋さん。罹患当時41歳。独身。
ご紹介している中でも断トツにパワー溢れるバリバリの女性経営者。そしておそらく世界一ハイパーポジティブな乳がん経験者であると思われる彼女いわく「乳がんだと響きが深刻だから、この際『乳ポン』くらいに考えて治療に取り組みましょう!」
正直、治療真っ最中の時には「ポジティブすぎてちょっとついていけねぇ(^^;」と思う部分もありましたが、治療が落ち着いてから読み返してみたときに、主治医や治療方法選ぶうえでの客観的な分析とか、治療中にできること・できないことの割り切った仕分けとか、落ち込んでしまいがちなマインドに対しての生産的な視点の持ち方とか、さすが経営者!と思える提案がいくつもあり、「こういう考え方があってもいいよね」と前向きにな気持ちになりました。
なおこの本にすら放射線治療の詳しい話がなかったので、「働きながら放射線治療を受けるリアル」について伝えるため、私はこのブログを立ち上げた…という隠れた経緯があったりもします(蛇足です)。
5. 『私たち100人の乳がん体験記 乳がんと診断されたらすぐに読みたい本』豊増さくらと乳癌bambi*組
今回の記事で1冊だけおススメするとしたら、この本を推します。
前半は、働くお母さんとして40歳で乳がん手術を受けた豊増さんの体験談、後半は乳がん経験者100人のアンケートとコラム。この1冊だけで「同じ乳がんでも、人によって症状も治療法も様々」というのが分かります。
豊増さんのパートは、深刻なはずの状況をコミカルな文章とイラストで綴っていて、共感するとともに思わず笑ってしまうページばかりです。母である豊増さんの心配をよそに、小学生ダンスィ(男子)まっさかりの頓狂な反応をしてくれる息子さんのエピソードが、また面白い(笑)(本当に子育てしている人だとイラっとしつつ共感するのかもですが…)
後半の100人のアンケート回答パートは、本当に色々な人が様々なテーマに回答しています。
告知・手術前検査から始まり、手術・抗がん剤・放射線治療・ホルモン療法、副作用対策、治療費のこと、子育て・子供への告知をどうするか、仕事のこと、温泉のこと…など。
興味のあるトピックの拾い読みだけでも得るものがたくさんあります。
*****************************
ここにご紹介した以外にも、多くの体験記を(書籍やWEB上で)拝読しました。
思ったのは、若ければ若いほどダメージの大きい病気にもかかわらず、正しい情報が全く行きわたっていないということ。
特に、「乳がん治療による妊娠可能性への影響」、難しい言葉では「妊孕性(にんようせい)の低下」については、若い人たちにもっと知らされるべきだと思いました。
「乳がんは早期発見で治ります」…違う、そんな簡単なものではない。自分の命に大きなリスクは及ぼさなくなるという意味では治るかもしれないが、切除した乳房は形を変えたまま残るし、保険には入りづらくなるし、妊娠出産を望んでいる人の希望が実現するのはずいぶん難しくなる。パートナーや職場の無理解に悩まされることもある。
例え初期でも早期でも、そういう影響は、長年残る可能性がある。
でもそれだけで終わるものではなく、違う形で取り戻せるものもあるし、取り戻せなくてもそこから全く新しい選択肢が広がることもある。
ただ単に「検診を受けよう」だけでなく、もし病気になってしまった場合にどういうことが起きうるのか、その見通しについても、ある程度は共有することはできないのかな?と感じています。
そしていろいろありつつ、結局この病気を経験することになってしまった私たち。
体験記を読んで、「まあ、なっちまったもんは仕方ない!」と腹をくくって、したたかにしなやかに生きていく姿勢を、体験記の著者である乳がんの先輩方から、私は学んだような気がします。
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自己紹介:
学生時代にお勉強させられた英語とかドイツ語とかを活用して、欧州サッカーとかジャパニメーションとか海外オークションとかで、貴重な余暇を非生産的につぶします。
時折走り、まれに勉強します。
2015年夏、乳がん(ステージ1)発症しました。
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2015年夏、乳がん(ステージ1)発症しました。
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